2007-2008 リーガ・エスパニョーラ 17節 カンプ・ノウ

Result

バルセロナ 0 – 1 レアル・マドリード

Frank Rijkaard
Barcelona

Bernd Schuster
Real Madrid

Goals

35m : Baptista Real Madrid 1-0 Barcelona

SUBSTITUTIONS

57m : Deco → dos Santos
77m : Puyol → Zambrotta
79m : Sneijder → Gago
81m : Xavi → Bojan Krkic
81m : Robinho → Robben
88m : Ramos → Miguel Torres

データ参考サイト 
トランスファーマーケット https://www.transfermarkt.com/

Review

 互いに新たなメンバーを迎えた。主にレアルはスナイデル、ぺぺなど、バルサはヤヤ・トゥーレ、アビダルなどが先発に名を連ねた。

 レアルは序盤引いたディフェンスから入る。ラモスがロナウジーニョにしっかりマークにつき、ぺぺによるカバーによってボールを奪う。また、もう1人のセンターバックのカンナバーロは突出した対人能力でボール奪取をする。ここ最近のクラシコの試合同様、迫力のあるカウンターで試合のペースを掴んでいく。また、スナイデルによる精度の高いセットプレーも武器となり、カペッロ時代同様、守備を重視しつつ、攻撃面でも明確な戦い方が確立されつつある。

 対するバルサは、ロナウジーニョやイニエスタといったサイドアタッカーがあまりボールに絡めず、絡めたとしてもボールロストが多くうまく機能しない。チーム全体のパスワークも鳴りを潜めていた。

 試合は序盤から決定的なシーンがないまま、28分バルサがチャンスを迎える。ボールに絡めないサイドのイニエスタが中盤まで落ち、ドリブルを開始。ターンで1人かわし、エトーの裏へスルーパス、そのパスでエトーとカシージャスが交錯し、そのこぼれ球を再びイニエスタが拾いチャンスになる。得点にはならなかったものの、そこから立て続けにバルサのチャンスを迎える。
ロングボールからロナウジーニョの素晴らしいトラップ、そしてラモスをかわして、クロス。これは流れてしまったが、バルサは徐々にペースを掴みかける。

 だが、レアルが一瞬で得点を奪う。

35分、カシージャスから大きく蹴られたボールは、中盤で両者の競合いとなる。それをラウールがヘディングでバチスタへ繋ぐ。受けたバチスタは、ファンニステルローイとの浮き球でのワンツーで抜け出し、ダイレクトで右隅に突き刺す。ラウールからバチスタのゴールまで全てワンタッチでつないでいく素晴らしいプレーだった。

 この得点によって、主導権の行方はわからなくなる。
イニエスタが中盤まで落ちバルサのイニシアチブを取ろうとしたり、ロナウジーニョが縦への突破をはかったり、ロビーニョとバチスタのブラジル人コンビでチャンスを創出したりと、両者の核となる選手の攻防が面白い。

 後半に入っても、イニエスタがさまざまな場所に顔を出して得点を生み出そうとしている。ホームのバルサは多少中盤のスペースが空いてしまっても、攻撃的にいくスタイルだ。しかし、縦に急いでしまうバルサはなかなかパスが合わず、波に乗れない。
 レアルはインターセプトからカウンターでチャンスをつくっていく。カウンターでは、ロビーニョが左サイドで起点なり、ボールを落ち着かせる。75分にはレアルの数的有利のチャンスを掴むが、追加点には及ばなかった。レアルも一点差である戦いと共に、バルサの攻撃陣を前に油断することはできない。

 バルサは若手のボージャンやドスサントスをいれて、サイドからの切り込みでチャンスを作るが、レアルの体を張ったディフェンスに得点を奪うことができない。

 試合はこのままタイムアップ。

 バルサは時折チャンスを迎えていたが、ものにできなかった。全体的にパスや連携の微妙なズレが仇となったと考えられるだろう。今回の試合では特にイニエスタの巧さがひかっており、ポジションを流動的に変えながらレアル陣形を崩していく姿は素晴らしかった。
 レアルはいい時間帯に得点が奪えたことで、やるべきことが明確になり試合巧者として進めることができた。また、ペペ、カンナバーロ、ラモスの最終ラインでのディフェンス力は磨きがかかっていた。
 空気の入れ替えを必要とするバルサ、盤石な強さを築くレアル、という立場の逆転を感じさせる試合だった。

原稿 ヨウ
編集 クラシコの部屋運営

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