2006-2007 リーガ・エスパニョーラ 7節 サンティアゴ・ベルナベウ

Result

レアル・マドリード 2 – 0 バルセロナ

Fabio Capello
Real Madrid

Frank Rijkaard
Barcelona

Goals

3m : Raul   Real Madrid 1-0 Barcelona
51m : van Nistel. Real Madrid 2-0 Barcelona

SUBSTITUTIONS

56m : Deco → Giuly
65m : Gudjohnsen → Saviola
80m : van Nistel. → Reyes
83m : Guti → Beckham

データ参考サイト 
トランスファーマーケット https://www.transfermarkt.com/

Review

 昨シーズンから、お互い新しさを感じるメンバー構成になった。
バルセロナは移籍したメンバーと、今まで若手として期待されていたメッシとイニエスタが主力として先発に名を連ねた。
レアルは銀河系軍団と呼ばれた選手が少なくなり、守備的な選手を集め、戦術的にも何か新しいものを感じさせる選手起用である。

 そんな新しさを感じるレアルがいきなり先制に成功する。
サイドバックに入ったラモスのオーバーラップからアーリークロス。うまく走り込んでいたラウールは、ドンピシャのクロスを見事ヘディングで合わせ先制する。昨年の鬱憤を晴らすような、レアルの象徴であるキャプテンのゴールはチームに活気をもたらす。

 序盤から、ボール保持はバルサが高いのだが、レアル中盤のエメルソン、ディアラなどは厳しいマークに行き、バルサを思い通りにさせない。そして、レアルはそのディフェンス力の高さと、ボールを奪った後も着実に前線へ繋ぎ、チャンスをつくる。守備の時間は多い中でも、グティ、ロビーニョ、ファンニステルローイ、ラウールを中心に素晴らしいカウンターをみせる。
 またロビーニョはタメをつくり、仕掛けたりすることでバルサの右サイドバックに入ったザンブロッタを翻弄する。
今までのレアルにはない明確な戦い方、それにあった選手の起用がみられる。

 対するバルサは、中盤の巧さは健在だ。デコ、シャビ、イニエスタなどは、得意のパスワークでボールポゼッションを高める。が、ロナウジーニョやグジョンセンも含め、なかなかゴールへ迫るプレーみせられない。その中でも別次元の選手がいる。メッシだ。
 レアルのディフェンスブロックに1人で風穴をあけ、その違いをみせるプレーで何度もゴール迫っていく姿は、今までエースだったロナウジーニョよりも明らかに上に感じる。

 ただ、この日のレアルのディフェンスは集中を切らさない。メッシに対して、ロビーニョが激しいマークでボールを奪ったり(ファウルを取られてしまったが際どかった)、エメルソンが激しいプレスに行って楽にプレーさせない。また、エメルソンはイニエスタのドリブルも完全に奪ったりなど、貢献度の高いプレーが多かった。

 それでも、メッシはカンナバーロを抜いて絶好のチャンスシーンを作ったりなどと、両者良いところが出ていて見応えのある良い試合である。

 前半が終わり、後半始まっても、その構図は変わらないようにみえたが、後半序盤、またしてもレアルがカウンターで追加点を奪って、試合の流れが変わる。
カウンターでグティの絶妙なタメから、ロビーニョへのパス。受けたロビーニョはキーパーとの間へボールを浮かしたラストパス。ファンニステルローイが倒れながらもうまく合わせ、51分追加点を奪う。

 その得点が大きかったのか、その後はバルサが少しペースダウン。レアルは変わらず集中して守り、カウンターでチャンスをつくっていく。
 良い流れにみえるレアル、それでもカペッロ監督は選手達に檄を飛ばすのをやめない。この日のレアルは徹底されて強かった。

 後半はカンナバーロ、エメルソンに加え、前線のラウールの献身的な守備が印象的だ。バルサの中盤はミスも増え、攻撃陣がうまくボールに絡む時間が少なくなり、そのまま試合終了。

 バルサは失点はしたものの、ボールは支配し、メッシを中心に何度かチャンスメイクをしたが、決定的なチャンスを決めることができなかった。グジョンセンのやや役不足感があり、決定的なシーンをはずしていなかったら、全然違う試合になっていた可能性もある。

 ただこの試合は、バロンドールをとったカンナバーロやエメルソンといったディフェンスよりの布陣を整え、それにあった前線の選手起用、最後まで集中を切らさないレアルは勝者にふさわしくみえた。

原稿 ヨウ
編集 クラシコの部屋運営

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